ビジネスとしての正当性を表す項目(PP,DCF,NPV,IRR,EPV)を具体例で解説。

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ビジネスとしての正当性を表す項目

財務指標

財務指標は、ビジネスとしての正当性を表します。プログラムマネージャーがプロジェクトの優先順位付けするときに使用します。主な項目として、PP、DCF、NPV、IRR、EPV があります。

プロジェクトの収益予測

プロジェクトの成果物に見込む収益などのパフォーマンスを予測するには、投資収益率や割引キャッシュフロー、投資回収分析などの、多くの一般的なマネジメント技法を使います。

数学的モデルと利益測定法

プロジェクトの収益予測で使用される、プロジェクト選定手法には以下の2つに分類できます。

  • 数学的モデル制約条件付き最適化法とも呼ばれ、大規模で複雑なプロジェクトの選定で使われる手法です。線形計画法非線形計画法動的計画法整数計画法多重目標計画法を使用します。
  • 利益測定法プロジェクトの選定の際に、一般的に使われる手法です。費用便益分析重み付け得点モデル回収期間法DCFNPVIRREPVなどがあります。

これらの利益測定法については、試験に出題される可能性がありますので、それぞれ解説しておきます。

費用便益分析法

費用便益分析法とは、プロジェクトがもたらす金銭的価値とプロジェクトの導入費用を比較する手法になります。

BCR(Benefit Cost Ratio)やBCA(Benefit Cost Analysis)で表記されます。計算式は以下の通りです。

BCR(%) = Benefit(収入)/ Cost(費用)× 100

(例)費用・便益

  • 便益の例:売上
  • 費用の例:開発費 / 販管費 / 保守費

BCRが1%以上であれば、初期投資額を回収できると判断されます。

重み付け得点モデル

重み付け得点モデルとは、プロジェクト選定の際に用いられる評価項目に重み付けをして評価する手法になります。

重み付けした得点の高いプロジェクトが優先されます。

回収期間法

回収期間法とは、プロジェクトで作られた製品がライフサイクル期間で見込める収入に着目して、プロジェクト投資費用を回収するために必要な期間を算出する手法になります。

通常は、回収期間が短いプロジェクトが優先されます。

例えば、プロジェクトの投資費用が20億円で、毎年5000万円の収入が見込まれる場合の回収期間は、

回収期間 = 投資費用(20億円) / 年間の収入(5000万円) = 4年

回収期間法の問題点としては、貨幣の時間的価値(金利)を考慮していないため正確性に欠ける点があります。

DCF(割引キャッシュフロー分析)

DCF(割引キャッシュフロー)とは、今後n年間の収益(売上)を金利を考慮して現在価値に直し、初期投資額を差し引いた金額です。

例えば金利5%として100万円を5年持っていると127万円になります。

言い換えると、金利5%の場合、今後5年間の収益(将来価値)127万円は、現在価値に直すと100万円ということになります。

通常は、回収金額を現在価値に換算した金額が、初期投資額を上回っていれば、初期投資額を回収できると判断されます。

現在価値 PV = 将来価値 FV / (1 + r)n乗
将来価値 FV = 現在価値 PV × (1 + r)n ※今後n年間の売上
r:金利
n:期間

例えば、プロジェクトの投資費用が20億円で、プロジェクトで作られた製品は10年間で40億円の売上が見込まれていて、金利は年間5%とした場合、

現在価値 PV = 将来価値 FV(40億円 )/ (1 + 0.05)10 = 25億円
割引キャッシュフロー DCF = 現在価値 PV – 投資額 = 25億円 – 20億円 = 5億円

となり、現在価値が投資額を上回っていると判断できます。

NPV(正味現在価値分析法)

NPVは、将来得られる金額について、期間ごとに現在価値に換算していく手法になります。

DCFに似ていますが、DCFよりも将来価値を厳密に算出できる点がポイントです。

通常は、NPVがゼロ以上であれば、プロジェクトは承認されます。

DCFで記載した例をNPVで算出してみます。

毎年4億円の売上があるとして算出します。


1年目:4億円 / (1 + 0.05)1乗 = 3.8

2年目:4億円 / (1 + 0.05)2乗 = 3.6

3年目:4億円 / (1 + 0.05)3乗 = 3.5

4年目:4億円 / (1 + 0.05)4乗 = 3.3

5年目:4億円 / (1 + 0.05)5乗 = 3.1

6年目:4億円 / (1 + 0.05)6乗 = 3.0

7年目:4億円 / (1 + 0.05)7乗 = 2.8

8年目:4億円 / (1 + 0.05)8乗 = 2.7

9年目:4億円 / (1 + 0.05)9乗 = 2.6

10年目:4億円 / (1 + 0.05)10乗 = 2.5

合計:30.9

NPV = PV – 投資額 = 30.9 – 20 = 10.9億円

IRR(内部収益率法)

IRRは、将来得られる金額の現在価値と初期投資額が等しくなる利率のことです。

NPVがゼロになる割引率のことをいい、IRRが高い方が望ましいといえます。

IRRが高いということは将来価値が高い利率の価値があるということを表します。

EMV(期待金額価格)

EMVは、リスク(不確実性)を考慮したプロジェクト選定手法になります。

通常はデシジョン・ツリー分析と組み合わせて利用されます。

EMVは以下の式で算出することができます。

EMV = (影響を金額で表した価値) x 発生確率

例えば、以下の2つのプロジェクトがあり、どちらのプロジェクトを選定するかを考えてみます。

■プロジェクトA

投資額:100億円

  • 発生確率60% → 売上200億円
    EMV = (売上200 - 投資額100)× 発生確率0.6 = 60億円
  • 発生確率40% → 売上60億円
    EMV = (売上60 - 投資額100)× 発生確率0.4 = -16億円

EMV = 60 – 16 = 44億円

■プロジェクトB

投資額:80億円

  • 発生確率80% → 売上120億円
    EMV = (売上120 - 投資額80)× 発生確率0.8 = 32億円
  • 発生確率20% → 売上100億円
    EMV = (売上100 - 投資額80)× 発生確率0.2 = 4億円

EMV = 32 + 4 = 36億円

以上から、EMVが大きいプロジェクトAが選定されます。

EPV(期待現在価値)

EPVは、EMVと同様にリスク(不確実性)を考慮したプロジェクト選定手法になります。
EMVとの違いは、売上(将来価値)の代わりに現在価値を使用する点です。
EMVで例示したものに、それぞれ以下のように売上時期と割引率を考慮に入れた場合を考えてみます。

■プロジェクトA

投資額:100億円
売上時期:5年後
割引率:5%

  • 発生確率60% → 売上200億円
    NPV = 200 / (1 + 0.05)5乗 = 157億円
    EPV = (157 – 100) × 0.6 = 34億円
  • 発生確率40% → 売上60億円
    NPV = 60 / (1 + 0.05)5乗 = 47億円
    EPV = (47 – 100) × 0.4 = -21億円

EPV = 47 – 21 = 26億円

■プロジェクトB

投資額:80億円
売上時期:2年後
割引率:5%

  • 発生確率80% → 売上120億円
    NPV = 120 / (1 + 0.05)2乗 = 109億円
    EPV = (109 – 80) × 0.8 = 23億円
  • 発生確率20% → 売上100億円
    NPV = 100 / (1 + 0.05)2乗 = 91億円
    EPV = (91 – 80) × 0.2 = 2億円

以上より、EPV = 23 + 2 = 25億円

以上から、EPVが大きいプロジェクトAが選定されます。

以上がプロジェクト選定手法になります。

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